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As far as i know...

私が知る限りでは。

『生き延びるための世界文学』21世紀の24冊 都甲幸治

お金を稼ぐのに、文学はあまり有効ではないかもしれない。

でも、たとえば私のような、うまく生きられないタイプの人間には、

精神を保つのに必要だと思う。

常に心の通う誰かと居られる人、違和感なく就職、結婚、子育てと順調で大きな挫折のない人がいたら、わからないかもしれない。自分には想像できないが、そんな人がいれば。

この本で紹介されている作品の登場人物たちは、夢や愛を求めて行動するのだけれど、うまくいかず傷つけ合って、狂って、救われないまま。この狭い日本の自分の周りだけでなく、英語やスペイン語でもそういう状況を書いた本が存在するらしい。自分だけじゃない、ということを実感することで、少し癒されるのかもしれない。世界中に、違和感を感じている人はいる。どうしようもない焦りとか、消えてしまいたい悲しみとか。きっとユートピアなんて存在しない。一部の一握りの富豪やセレブは違うのかもしれないけど、世界中の普通の人が、それぞれいろんなものを抱えて、うまくいかない時間を生きているのだと思う。

 

自分の人生に意味があるのか、考えてしまうことがある。特に、「求められる役割」を果たせていないことについて。自分は30代で結婚をしていないし子供もいないから、いつ死んでも誰も困らない。数十年、自分のためだけに生きて、老いて孤独と貧困のなか死んでいく命に何か意味があるのか。いま、死んだほうが楽じゃないか。

まだ死んでいないのは、仕事して税金を払えている以上、国民としては生きていてもいいんじゃないかということと、親が健在なので先に自殺で死なれるのはかわいそうかな、ということが理由。何か、自分の存在に価値を見出せれば、もう少し楽しく生きられそうなのだけれど、虚しさが先行してなかなか難しい。

生きていれば何か見つけられるんじゃないか、という希望も、まだなくはないので、行動する努力も必要。そして希望の組織に入っても、信頼できるパートナーを見つけても、全てが解決するわけじゃないと分かった上で。

 

人生はなかなか苦しい。時には、地球の裏側で書かれた小説の訳に癒されても罰はあたらないだろう。